かしこく設定してコスト削減!Stripe Connect(Customアカウント)の手数料を抑える方法
前回の記事では、Stripe Connect(Customアカウント)の4つの手数料
- 決済手数料
- 有効なアカウント1件ごとに徴収される月額手数料
- 出品者が出金した金額に対して徴収される手数料
- 出品者の銀行口座への振込手数料
について解説しました。
この記事では、マッチングサービスやシェアリングエコノミーなどのプラットフォームビジネスを運営する上で、これらの手数料を抑える方法を説明します。
コントロールできる手数料は1つだけ
4つの手数料のうち、
- 決済手数料
- 出品者が出金した金額に対して徴収される手数料
はそれぞれ「決済金額」「出金額」に応じて徴収されるため、プラットフォーム事業者がコントロールすることはできません。
決済金額や手数料が増えるにつれ、徴収される手数料も増えていきます。
また、「出品者の銀行口座への振込手数料(250円+消費税)」は振込1回毎に徴収されます。
振込手数料と同額程度を出品者から徴収する機能をプラットフォーム側に実装することはできますが、Stripe側に支払う手数料自体を減らすことはできません。
工夫次第で削減できるのは、有効なアカウント1件ごとに徴収される月額手数料 だけです。
「有効なアカウント1件ごとに徴収される月額手数料」を削減する
「有効なアカウント1件ごとに徴収される月額手数料」とは、
です。該当する出品者1件につき200円+消費税が徴収されます。
該当月に1度でも出金した出品者は、金額に関わらず手数料の対象となります。
そのため、
- 出品者Aの売上 : 1000円
- 出品者Aから徴収する取引手数料 : 売上の10%
という状態で出品者Aが売上を出金すると、取引手数料(100円)- 月額手数料(税込220円)= -120円となり、プラットフォーム事業者の取り分はマイナスとなります。
売上が少ない出品者が多いプラットフォームでは、出品者が毎月出金すると利益を確保することが難しくなります。
ここでポイントとなるのが、決済が行われても、出金がなければ手数料の対象としてカウントされない、ということです。
そのため、「出品者が売上を引き出す頻度を減らす」ことがコスト削減に直結します。
出金タイミングは必ず「手動」にする
Stripe Connect(Customアカウント)では、出品者への売上の振込タイミングを
- 週1回
- 月1回
- 手動(都度申請)
から選択できます。
週1回や月1回を選択すると、売上の小さい出品者についても自動で出金されてしまいます。
出品者の申請に応じて出金するよう、必ず手動を指定してください。
最低出金可能金額を定める
売上の振込タイミングを手動(都度申請)に設定するだけでは不十分です。
出品者が月に1回以上出金すると、月額手数料の適用対象となります。
売上が一定金額以上の場合のみ、出金を申請できるようプラットフォーム側で設定しましょう。
例えば、「売上の残高が10,000円以上の場合に出金可能」と設定します。
この場合、毎月5,000円の売上がある出品者が出金できるのは、2ヵ月に1回です。
毎月出金する場合と比較して、手数料を半額に抑えることができます。
資金決済法に注意
コストを削減できるからといって、振込の頻度を減らして、出品者の売上をいつまでもプラットフォームに滞留させてよいわけではありません。
受領した代金を必要以上にプラットフォームに滞留させると、資金決済法における資金移動業者と見なされる可能性があります。
資金移動業者であると判断された場合、預かり金に対して供託金を預ける等の資産保全義務が発生します。
一定期間経過後は金額の大小に関わらず、自動的に出品者に売上を振り込むなど、資金移動業者と見なされないようにプラットフォームを運営する必要があります。
ちなみに、メルカリやBASEでは振込申請期限を180日に設定し、期限を経過した場合は自動で登録口座に売上を振り込むなどの対策がとられています。
mekumaは対策済み
以上がStripe Connect(Customアカウント)の手数料を抑える方法になります。
マッチングサイト構築システム「mekuma」では
- 売上の出金は手動(都度申請)のみ
- 最低出金可能金額を設定可能
- 90日間未出金の場合は、自動で振込
などの機能を標準搭載し、「有効なアカウント1件ごとに徴収される月額手数料」を抑えるための対策が施されています。