マーケットプレイスビジネスにおけるMVPのつくり方

この記事は、Sharetribeが運営するMarketplace Academyに掲載された “How to build a Minimum Viable Platform“(著者 : Cristóbal Gracia)を翻訳のうえ、加筆修正したものです。

前回の記事では、プラットフォームを構築する前にアイデアを検証することの重要性についてお話しました。
仮説を設定し、ユーザーインタビューなどによる検証を経ると、ユーザーが実際に抱えている問題とその解決策がはっきりし、いわゆる「プロブレム・ソリューション・フィット(PSF)」の状態に近づくことができます。

次のステップは、「プロダクト・マーケット・フィット(PMF)」の達成です。PMFとは、顧客の課題を満足させる製品(プロダクト、サービス)を提供し、それが適切な市場に受け入れられている状態を指します。PMFを達成するためには、MVP (Minimum Viable Product)を活用します。MVPとは、「既存のソリューションよりも優れた方法でユーザーの問題を解決する可能性のある最小のソリューション」を指します。MVPを構築し、ユーザーに利用してもらうことにより、PMF達成のための学習プロセスをスタートできるのです。
今回の記事では、MVPの作り方について解説します。

MVP(Minimum Viable Product)とは?

Minimum Viable Productという言葉は、スタートアップの第一人者であるEric RiesとSteve Blankによって広められました。

“MVPとは最小限の機能を通じてビジョンを売り込むものであり、万人向けの製品ではない、ヴィジョナリー向けの製品である。” – Steve Blank

まずはアーリーアダプター(あなたのソリューションを試してフィードバックをしたいと考えている人々)を定義することが重要です。アーリーアダプターを明確にすることにより、彼らのニーズを充たすためのコア機能の開発に着手できます。アーリーアダプターは、あなたのソリューションを改善するための貴重な情報を提供してくれます。継続的に彼らの意見に耳を傾け、それに基づいて小さな改善を行い、問題が解決されたかどうかを確認するためにもう一度彼らにヒアリングすべきです。

MVPの概念は、アジャイル開発と密接に関係しています。アジャイル開発のポイントは、構築、提供、学習のサイクルをスピーディーに繰り返すことです。アジャイル開発とリーン開発のコーチであるHenrik Knibergは、プレゼンテーションの中で、従来のウォーターフォール型の製品開発と比較して、アジャイル開発の利点を以下の図を用いて説明しています。

“MVPとは、チームが最小限の労力で、最大量の顧客に関する有効で実証されたラーニングを収集できるプロダクトのバージョンです。” – Eric Ries

MVPを構築する際には、「何を作るべきか」を知っておく必要があります。多くのスタートアップ企業が失敗するのは、適切な事前検証を行わずにMVPの構築を開始し、結果として誰も使わない製品を作ってしまうからです。真の学びを得るには、MVPはユーザーの真の問題を本当に解決するのに十分な機能を持つ必要があります。次のHenrik Knibergの図は、MVPを構築する際のアプローチ方法と、そうでない方法を説明しています。

物理的な製品や高度なソフトウェアなど、動作するソリューションを構築するために多くの作業や複雑なプロセスを必要とするケースがあります。このような場合、製品の説明ビデオと購入・会員登録フォームなどの組み合わせで代替することもあります。PebbleはスマートウォッチのKickstarterキャンペーン、ストレージサービスのDropboxは製品紹介ビデオとメールアドレス登録フォームで成功を収めました。

しかし、実際に動作するプロトタイプを比較的少ない労力でユーザーに提供できるのであれば、間違いなくそうすべきです。ソーシャルメディア自動化ツールであるBufferの立ち上げにまつわるストーリーは、この点についての素晴らしいケーススタディです。彼らはアイデアの状態から、たった7週間で有料顧客の獲得に至りました。

「MVP」の言葉にとらわれすぎてはいけない

起業家が犯しがちな間違いは、「MVPはバグだらけでデザインもひどいものでもよい」と思い込んでしまうことです。MVPは完璧である必要はありませんが、必要な機能が一通り揃っている必要があります。もしあなたのソフトウェアがまともに機能しなかったり、未完成に見えたりすると第一印象が非常に悪くなり、ユーザーの興味をそぐことになります。UXデザイナーのJussi Pasanenによる次のイラストは、MVPにどのようにアプローチすべきかを示しています。

ニューヨークののTechstars社でマネージングディレクターを務めるAlex Iskoldは、MVPを構築しているスタートアップがいかに「ミニマム(Minimum)」という言葉にとらわれすぎているかについて指摘しています。リーン・スタートアップの原則に従う起業家は、MVPの概念を誤解し、あまりにも中途半端ないわゆる「生焼け」の状態で製品をリリースする傾向があります。その結果、単にMVPの出来がひどいから誰も製品を使ってくれないのに、自分たちのアイデア自体がダメだと結論づけてしまうことがよくあります。この罠にはまらないようにしましょう。

マーケットプレイス型プラットフォームの起業家には、Minimum(ミニマム)であることやViable(実用可能)であることだけに焦点を当てるのではなく、アーリーアダプターのユーザーを喜ばせることを目的としてMVPを設計することをおすすめします。このアプローチは、「MLP(Minimum Lovable Product)の構築」と呼ばれています。MLPとは「小数のコアユーザーから最大限の愛 (支持) を受けられるような、最小限の機能を持つ製品」であり、The Happy Startup Schoolの運営チームによる造語です。MLP構築の10のポイントについて書かれた彼らの記事をぜひチェックしてみてください。

マーケティングの専門家であるRand Fishkinも同じ問題について語っています。彼は起業家に平凡なものを提供するのではなく、時間と努力を惜しみなく費やした上で、「突出した実行可能な製品(Exceptional Viable Product)」をリリースすることを奨励しています。彼はこのアプローチについて次の図で説明しています。

Minimum Viable Platform

ここまでは、MVP = Minimum Viable Products についての話をしてきましたが、ここからはマーケットプレイスに焦点を当てていきます。マーケットプレイスビジネスの場合、MVP = Minimum Viable Platformを意味します。この言葉は、マーケットプレイスの専門家であるSangeet Paul Choundaryの造語で、プラットフォームは、コンテンツや商品、サービスの提供者とその利用者のインタラクション(交流)を提供することから始めるべきであると論じています。
マーケットプレイスビジネスを構築する際には、プラットフォームを立ち上げてユーザーに取引をしてもらうことでしか、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)を検証することはできません。この分野では、クラウドファンディングキャンペーンや製品紹介ビデオだけでは不十分なのです。多くの人があなたのアイデアが好きだと言い、ウェブサイトに登録もしてくれるかもしれませんが、本当のテストは、ユーザーがあなたのプラットフォームを使って他のユーザーと交流するかどうかです。その時に初めて、あなたは本当に価値を提供しているかどうかを知ることができます。

以前の記事で使用した、パーソナルトレーニングサービスのマーケットプレイスの構築の例に戻ってみましょう。あなたは、ユーザー候補にインタビューを行い、最も有望な顧客セグメントを特定しました。その後、顧客と出品者それぞれの視点から見た様々な仮説を検証し、双方に対しての以下の様な価値提案を作成しました。

  • 顧客(35歳から55歳までの富裕層男性)への価値提案 : 多くのパーソナルトレーナーを一箇所に集約し、サービス内容やレビューに基づいた比較が可能で、時間帯の予約や支払いが簡単にできる、使いやすく統一された検索体験。
  • 出品者(パーソナルトレーナー)のための価値提案: オンライン上で簡単に自身をアピールでき、より多くの見込み客へのリーチや、予約や請求書の管理に便利なツールを提供。

これで、価値提案のための最低限の実行可能なソリューションを構築する準備が整いました。あなたのアイデアが真価を発揮するのは、アーリーバンジェリスト(リスクを取って新しい製品やサービスを利用する意欲と能力のある顧客)があなたのソリューションを介して、パーソナルトレーニングの予約を開始した場合だけです。これがこの段階でのあなたが達成すべき目標です。

実際にプラットフォームを構築する方法

あなたがプログラマーではない場合、どのようにして MVP (正確には Minimum Lovable Platform) を構築すればよいでしょうか?多くの人にとって、頭に浮かぶ最初のアイデアはアウトソーシングです。しかし、これは最良の選択肢ではないかもしれませんし、多く時間とお金を無駄にする可能性があります。BufferのCEOであるJoel Gascoigneは、MVPの構築を外注すべきではないと考える理由をこのように述べています。

– スタートアップの場合、私たちは「未知の問題、未知の解決策」の世界に生きています。新しいアイデアがうまくいくかどうかはわかりません。既存のソリューションとは全く異なるアプローチが必要であり、それはアウトソース先の会社やフリーランサーが物事に取り組む方法とは常にずれています。

もう一つのアプローチは、技術力のある共同創業者を見つけて、無料でMVPを構築してもらうことです。しかし、これは言うは易く行うは難しです。Gascoigneが指摘するように、もしあなたが持ち合わせているのがビジネスのアイデアだけであれば、技術力のある素晴らしい共同創業者を見つけるのに苦労するでしょう。適当な人が見つかるまでに、長い間待つ必要があるかもしれません。そして、これまで述べてきたように、大事なのはできるだけ早くアイデアを形にすることなのです。では、どうすればいいのでしょうか?Gascoigneはこう答えています:

– 正直なところ、自分で製品を作ることが最も最適であり、スタートアップを成功させるための最速の道だと思っています。

問題は、マーケットプレイスのプラットフォームをゼロからプログラミングするのは、経験豊富な開発者であっても難しいということです。出品者と顧客という異なるタイプのユーザーが存在し、ユーザー間でお金のやり取りが発生するプラットフォームを構築する際には、考慮しなければならないことがたくさんあります。独学でコーディングを学び、すべてを構築することは、実行可能なオプションではないかもしれませんし、できたとしても時間がかかりすぎるでしょう。

幸いなことに、今日の起業家は恵まれています。Gascoigneは次のように述べています。

– 今は、コーディングを全くしなくても完全に機能する(多少手作業が発生する可能性はあるが)MVPを作ることができます。

このアプローチは、「マニュアル・ファースト・スタートアップ」や「コンシェルジュ型MVP」と呼ばれることもあります。

ランディングページやメールを利用する

パーソナルトレーナーのマーケットプレイスの例に戻りましょう。まずは、10人のパーソナルトレーナーに自分のプラットフォームを使ってサービスを提供してもらうことから始めましょう。次のステップでは、UnbounceInstapageStrikingly、日本であればペライチのようなコーディング不要のツールを使って、パーソナルトレーナーのリスト、サービスの説明、価格などが記載されたシンプルなランディングページを作成します。また、TypeformGoogleフォームなどの無料ツールを使って簡単な予約フォームを作成し、顧客のメールアドレス、予約したいトレーナー、希望の時間を入力してもらいます。

予約が入るとあなたにメールが届くので、トレーナーと顧客に連絡をして日程を調整し、予約を確定するために顧客に支払いを依頼します。PayPalなどの決済代行サービスを使えば、顧客から代金を受け取り、手数料を差し引いた上でトレーナーに送金することができます。

パーソナルトレーニングが終わったら、顧客にメールを送り、トレーナーの評価を依頼しましょう。受け取った評価は手動でランディングページに記載します。
一度予約を受け付けた顧客のメールアドレスは、MailChimpのようなメーリングリストツールに追加しましょう。新しいパーソナルトレーナーが追加されたり、既存のトレーナーから特別なオファーがあったりした際には、リストに登録されている顧客全員にメールで通知できます。

ここまで説明したやり方で、マーケットプレイスの二種類のユーザー(顧客とトレーナー)の双方にあなたのサービスの基本的な価値提案を提供できます。これはまさにAirbnbがサービス開始当初にとったアプローチそのものです。RiseUp Summit 2015において、Y CombinatorのパートナーであるJared Friedmanは以下の様に話しています

– Airbnbの最初のバージョンはWordPressのブログで、宿泊できる物件のリストを載せただけのものでした。コードを書くこともありませんでした。部屋を借りるには、そこに泊まりたいとブログにコメントを残すだけでした。お世辞にも良い出来のサイトとは言えませんでしたが、それを立ち上げたことで、人々が何を求めているのかを知ることができました。

現在、Airbnbは素晴らしいデザインと様々な機能を提供していますが、それらのほとんどは基本コンセプトを徹底的に検証した後に構築されたものです。
ランディングページよりももっとシンプルな方法もあります。Ryan Hooverは、ユーザーが登録したEメールアドレスに対してサービスを提供するだけの「Eメールファースト・スタートアップ」というコンセプトを紹介しています。

上記の「マニュアル・ファースト・スタートアップ」や「コンシェルジュ型 MVP」といったやり方は、最初の数件の予約を得るには十分です。しかし、Minimum Lovable Platform、つまり「小数のコアユーザーから最大限の愛 (支持) を受けられるような、最小限の機能を持つプラットフォーム」となるには不十分な可能性があります。

  • 出品者の数が増えるとフィルタリングや検索機能が必要となり、ランディングページだけでは処理できなくなります。
  • 予約受付後の連絡を手動で行うため、処理に時間がかかります。
  • 出品者は予約日時の調整のために都度あなたと連絡をとる必要があり、手続きが非常に煩雑です。

Airbnbがスタートした頃と比較して、ウェブは大きく進化しました。人々は今ではオンラインで検索し、予約し、支払いをすることに慣れており、優れたユーザー体験にも慣れています。言い換えれば、ハードルが格段に高くなっているのです。Rand Fishkinが言うように、単に機能するものを提供するだけでは不十分で、最初から優れたものを提供する必要があります。

WordPressのようなコンテンツ管理システム(CMS)も進化してきました。現在では、適切なテーマやプラグインを購入することで、WordPressで本格的なマーケットプレイスを構築することが可能です。私が慣れ親しんでいるCMSのDrupalも同様のオプションを提供しています。これらのCMSのテーマやプラグインを使いこなせば、より多くのステップを自動化し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。

しかし、あなたのソリューションが複雑であればあるほど、これらのツールを使って構築するのも難しくなりがちです。私はDrupalとWordPressをかなり使い込んできましたが、何かをする方法を学ぶのに何百時間も費やすことはざらです。あなたのプラットフォーム向けにCMSをカスタマイズできるようになるためには、少なくとも多少はコーディングを独学で学ぶ必要があるでしょう。また、自分でサーバーをセットアップして、その上にCMSをインストールして、必要なテーマやプラグインをすべてインストールする必要があります。あなたがプログラミングのスキルを持っていない場合、このアプローチは驚くほど困難なものになります。これは「サービスをすぐに立ち上げて学習プロセスを回す」という目的を達成する際の大きな障壁となります。

それでは、どうすればよいのでしょうか?

Sharetribeで1日で完全に機能するマーケットプレイスを作る

マーケットプレイス・アカデミーは、Sharetribeによって構築され、維持されているウェブサイトです。私はサイト内の記事を書くためにSharetribeのコアチームと密接に働いているので、以下の内容には間違いなくバイアスがかかっています。しかし、Sharetribeは「システム開発のスキルを持たない起業家が、可能な限り迅速かつ容易にマーケットプレイス型プラットフォームのMLP(Minimum Lovable Product)を立ち上げるのを支援する」ことを目的として開発されたため、ここで紹介することは重要です。

Sharetribeを使えば、1日で完全に機能するマーケットプレイスを作成し、すぐにユーザーに公開することができます。ユーザー(出品者と顧客の両方)は、会員登録、プロフィールの作成、サービスの追加、必要なサービスの検索、選択した条件に基づいたフィルタリング、予約、支払い、レビューなどをサイトを通じて行うことができます。これをシステム上で処理され、あなたが手動で作業する必要はありません。「マニュアル・ファースト・スタートアップ」や「コンシェルジュ型 MVP」に比べて、Sharetribeを使うことで多くのメリットがあります。

  • 優れたユーザーエクスペリエンスを提供します。Sharetribeのソフトウェアは、数年に渡って構築され、磨かれてきました。
  • ランディングページやメールベースのアプローチよりも設定が簡単です。Sharetribeだけで処理を完結できるため、プラットフォームを運用する上で参照するマニュアルが非常に少なくて済みます。
  • SharetribeはWordPressのようなCMSですが、マーケットプレイスを作成することに特化して作られているため、学習や設定が簡単です。WordPressは、ほぼすべてのタイプのウェブサイトを作成するために使用できますが、柔軟性がある分、マーケットプレイスとして設定するのは非常に面倒です。
  • WordPressやDrupalを使用する場合、通常は自分でサーバーを設定して管理する必要があります。Sharetribeは、そのような管理作業をすべて代行してくれます。Sharetribeを利用するためには、コードを書く必要はありませんし、サーバーのことを理解する必要もありません。
  • 出品者に代わって資金を保持したり、手動で出品者に送金する必要はありません。Sharetribeの支払いシステムは、取引から得た売上があなたの口座に振り込まれることがないように設計されています。出品者に代わって資金を保持することに関連した様々な法的問題を回避することができます。
  • Sharetribeはオープンソースです。ある時点で開発チームを雇って、よりカスタマイズされたソリューションを構築したい場合は、Sharetribeのコアコードベースの上でそれを行うことができます。
  • Sharetribeはリーズナブルな価格で利用できます。最初の30日間は無料で使用でき、それ以降の料金は月額79ドル~です。

Sharetribeを使ってMVPを作った素晴らしい例として、「レコードスタジオのためのAirbnb」であるStudiotimeがあります。創業者のMike WilliamsはSharetribeを使って、一晩で自分のアイデアのMVPを作成し、すぐに検証プロセスを開始することができました。StudiotimeはProduct Huntで大絶賛され、いきなり何百ものスタジオが登録してくれました。それ以来、MikeはSharetribeのカスタマイズに投資してきました。スタートから1年も経たないうちに、Studiotimeはすでに利益の上がる持続可能なビジネスとなっています。

マーケットプレイスを構築するためのSharetribe以外の選択肢もあります。このQuoraのスレッドは、それらの選択肢を紹介しています。また、プラットフォームの種類によって適したソリューションは異なります。例えば、Amazonのように、複数の大手小売業者が大量の在庫から消費者に商品を販売するマーケットプレイスの構築を計画している場合、Sharetribeはあなたには適していないかもしれないません。代わりにMiraklIZBERG Marketplaceを試すことをおすすめします。

[訳者注] SharetribeやMirakl、IZBERG Marketplaceは海外の製品であり、日本語や日本独自の商習慣に十分に対応できているとは言えません。主に日本国内でサービスを展開する場合は、「mekuma」や「CS-Cartマーケットプレイス版」など、日本での利用を前提として設計されたサービス・製品の利用をおすすめします。

MVPの成功を測定する

MVPの準備ができたら、ユーザーに向けてサービスをローンチできます。しかしローンチ前に「MVPを使って何を学習したいのか」を定義しておくことが重要です。MVPのローンチは単なる実験であり、その目的は、あなたの仮説が正しかったかどうかの情報を提供することであることを忘れないでください。Eric Riesが指摘しているように、単に何かをローンチして何が起こるかを見ることが目的であれば、それは必ず成功しますが、必ずしも自分の仮説を検証するのに役立つわけではありません。MVPを立ち上げる前に答えるべき重要な質問は以下の通りです。

  • この実験ではどのような仮説を検証しようとしているのですか?
  • この実験ではどのようなデータを収集するのですか?
  • この実験の成否は何によって決まりますか?

これらの質問に答えるためには、マーケットプレイスビジネスのKPI(Key Performance Indicator / 重要業績評価指標)を定義する必要があります。KPIはアクショナブル、つまり数値向上のために具体的な施策を取れる指標である必要があります。数値が期待したものと異なる場合は、その数値に基づいて行動し、何かを変える必要があります。このトピックについては、他の記事でさらに深く掘り下げていきます。

まとめ

MVP (Minimum Viable Product、マーケットプレイスの場合は、Minimum Viable Platform) とは、「既存のソリューションよりも優れた方法でユーザーの問題を解決する可能性のある最小のソリューション」と定義されます。マーケットプレイスの場合、MVPはマーケットプレイスの両サイド(顧客と出品者)にソリューションを提供する必要があります。ソリューションはユーザーを喜ばせる必要があるので、「Minimum(最小)」という言葉にとらわれすぎない方が良いでしょう。代わりに「小数のコアユーザーから最大限の愛 (支持) を受けられるような、最小限の機能を持つ製品」である「MLP(Minimum Lovable Product)」の構築を目指すことをおすすめします。

MVPを構築するための最善のアプローチは、技術力のある共同創業者に頼ったり、外注したりするのではなく、自分で構築することです。技術的な知識がない場合は、ランディングページやEメールリストを使ったマニュアルベースのアプローチでMVPを構築するか、Sharetribeやmekumaのような既製のツールを使って完全に機能するプラットフォームを構築することができます。MVPを作成したら、仮説検証のためのKPIを定義したうえでユーザーに向けてローンチし、仮説が本当に正しいかどうかを確認しましょう。

次の記事では、あなたのプラットフォームの価値提案をユーザーに効果的に伝える方法を学びます。