mekuma開発の経緯と設計思想

シェアエコ向けサービスとしてスタート
mekumaは2018年に「シェアリングエコノミーサイトを構築・運営できるWebサービス」としてスタートしました。
・メルカリのようなフリマサービス
・AirBnB、スペースマーケットのようなスペースシェア
・ヘアカットやネイル、ヨガレッスンなどのスキルシェア
を簡単に構築できるサービスとして、これまで数十社のお客様にご利用いただいてきました。
コロナで状況が一変
販売開始以来、順調にサービスを拡大していましたが、2020年2月から世界中で新型コロナウィルスの流行が始まると状況が一変しました。日本各地で緊急事態宣言が発令されるなど多くの人々が外出自粛を余儀なくされ、対面によるサービス提供を前提とした多くのシェアリングエコノミーサービスは大きな打撃を受けました。mekumaをご利用いただいていた事業者様も例外ではなく、解約や契約の一時休止が相次ぎました。
Zoomを使ったサービスを開発
ご存じの通り、コロナ禍では対面での打ち合わせが困難になり、オンラインでのビデオ会議が急速に普及しました。中でもビデオ会議ツール「Zoom」の成長はすさまじく、「Zoom飲み」など打ち合わせ以外の用途でも広く利用されることとなりました。当社にも「Zoomを使ってレッスンを販売するサービスを作れないか」、「Zoomによる家庭教師サービスを展開したい」などの問い合わせが殺到しました。そこで2020年5月にオンラインレッスンやセミナーのマッチングに特化した「mekuma for Zoom」を発表し、数十社のお客様に参加いただきベータテストを実施しました。
ビデオ通話機能の搭載
mekuma for Zoomのベータテストはお客様に概ね好評をいただきましたが、
・利用者にZoomの利用方法を説明するのが面倒
・利用者がZoomに慣れておらずサービスを提供できないことがある
・予約からサービス提供までの流れをウェブサイト内で完結させたい
というフィードバックを多く頂きました。
そのため、ビデオ通話APIサービスを提供する「daily」を利用し、ウェブサイト内でビデオ通話できる機能の開発に着手しました。dailyは高品質なビデオ通話を自社サイトに組み込むことができる素晴らしいサービスですが、ユーザーインターフェースはすべて英語表記のみでした。そこでdailyと交渉し、当社が日本語への翻訳を行ったうえでmekumaに実装しました。


「何を買うか」ではなく「誰から買うか」
「mekuma for Zoom」ベータテストにおけるもう一つの発見は、「ユーザーは出品者の実績やサービスの提供方針を詳しく確認し、場合によっては出品者に質問したうえでサービスの購入に至るケースが多い」ということでした。
購入・利用する商品の確認が容易な物品の売買(フリマ)や場所貸し(スペースシェア)とは異なり、各種レッスンやカウンセリングなどは提供する人により内容・品質にばらつきがあります。「仕事に関するコーチング」を例に挙げると、利用者が受けるアドバイスの内容は、サービスを提供する人のキャリアや性格により大きく異なるでしょう。そのため、スキル販売のマッチングサービスにおいては「何を買うか」よりも「誰から買うか」が重要になると考え、mekumaの設計を抜本的に見直しました。具体的には、出品者が提供するサービスを一覧に並べて販売するのではなく、サービス提供者の一覧から要望にあった人を選び、その提供者のプロフィールページからサービスを予約する仕組みを新たに採用しました。