この記事でわかること
この記事では、「スキルや知識を持つ人」と「それらを利用したい人」を繋げるマッチングサイトの立ち上げをお考えの起業家・新規事業担当者のみなさんに向けて、
- マッチングサイトが失敗する理由とその回避方法
- マッチングサイトの開発に着手する前に「起業の科学」を使ってやるべきこと
- マッチングサイトの立ち上げ方
について詳しく解説します。
<プロフィール>
- 株式会社メクマの共同創業者・CEO
- マッチングサイト構築パッケージ「mekuma」の開発責任者
- 「【プロが徹底解説】失敗しないマッチングサイトの作り方」の著者
- マーケットプレイスやECモールを構築できるパッケージ「CS-Cart日本語版」も手がける
- mekumaとCS-Cartの販売を通じて、100件以上のマッチングサイトおよびマーケットプレイスに関わる
マッチングサイトが失敗する理由とその回避方法
マッチングサイトの9割が失敗する
株式会社メクマでは、ナレッジシェア型マッチングサイトを構築・運営できる「mekuma」というソリューションを提供しています。
おかげさまで起業家や新規事業担当者の皆さまから評価いただき、これまでに数十件のマッチングサービスに採用されてきました。しかし、お客様にサービスを提供していくなかで大きな課題に直面しました。
それは解約率の高さです。
新規契約のお客様はコンスタントに獲得できるのですが、ビジネスがうまく立ち上がらずに契約後1年未満で解約に至る割合が非常に高いのです。
具体的には5割が1年以内に撤退、4割は事業継続しているものの鳴かず飛ばずといった感じで、事業として成立しているのは1割程度に過ぎません。
誰も欲しがらないサービスを作ってしまう
製品に問題があるのではと考え、mekumaを解約する理由をお客様にヒアリングしたところ、
- 思ったようにサービスの提供者(売り手)を集めることができなかった
- サービスの提供者は集まったが、利用者(買い手)を集めることができなかった
- ある程度ユーザーを集めることはできたが、ほとんどマッチングが成立しなかった
という回答がほとんどであり、「サービスを立ち上げたものの、そもそもニーズがなかった」ことがが早期撤退の主な原因であることがわかりました。
「誰」の「どんな課題」を解決するかがすべて
多くの時間と労力を投入してマッチングサイトを立ち上げたものの、誰からも使われずに短期間でクローズを余儀なくされる、なぜこういった悲劇が後を絶たないのでしょうか?
それは、「誰」の「どんな課題」を解決するかをはっきりさせないままサービスを立ち上げてしまうことが原因です。
マッチングサイトに限らず、新規事業で最も大事なのは「誰」の「どんな課題」を解決するかです。
この2つが明確でないと、ピントの外れた「誰にも刺さらない」ビジネスとなってしまいます。
さらにマッチングサイトには
- サービスの提供者(売り手)
- サービスの消費者(買い手)
という二種類の顧客が存在するという特徴があります。
性質のまったく異なる二種類の顧客の課題を同時に解決する必要があり、ECなど他の業態と比較して極めて難易度が高いです。
答えは「起業の科学」の中に
マッチングサービスを立ち上げようとしている起業家・新規事業担当者に、「顧客」と「解決すべき課題」の正しい設定の仕方を伝えることができないかと模索していたところ、すばらしい書籍に出会いました。
それが「起業の科学 スタートアップサイエンス」です。(以下、「起業の科学」と表記します。)
「起業の科学」とは、日米で複数の起業経験を持つアントレプレナー兼ベンチャー投資家である田所雅之氏が、失敗を回避しながら起業や新規事業を成功に導くための手順を時系列でまとめた書籍です。
2017年の発売後すぐに話題となり、シリーズ累計15万部以上のベストセラーとなっています。
「起業の科学」のここがすごい
起業の科学は、「リーン・スタートアップ」というマネジメント手法をベースに構成されています。
「リーン・スタートアップ」とは、アイデアを最低限の機能をもつ製品・サービス(MVP = Minimum Viable Product )として市場に投入し、顧客の反応を分析したうえで改善を繰り返すことにより、起業や新規事業の成功率を高めるという手法で、特にIT業界で広く採用されています。
「起業の科学」が画期的だったのは、MVPを作って市場に投入する前に、「誰」の「どんな課題」を解決するのかという視点から自分のアイデアを磨き抜く必要があるとして、仮説設定・検証を通じてアイデアを「真に解決すべき課題」に昇華させる手法を提示したという点です。
製品やサービスを市場に投入する前にあなたのサービスが向き合うべき顧客と課題を明確にすることにより、事業が失敗する確率を大幅に引き下げることができるのです。
この記事の使い方
ここからは、
- 起業の科学の「Customer Problem Fit」を実践し「誰のどんな課題を解決するのか」を明確にした上で、
- マッチングビジネス特有の事情を踏まえてスキルや知識のマッチングサイトを立ち上げる方法
について解説していきます。
そのため、起業の科学の第2章 Customer Problem Fit 【課題の質を上げる】に目を通した上で読むことをおすすめします。
この記事単体でもマッチングサイト立ち上げの流れを把握できますが、「起業の科学」と併用することにより、記事内で紹介している手法についてより深く理解することができ、最大限の効果を発揮します。
「ストーリーでわかる『起業の科学』」からはじめよう
「起業の科学」は起業家や新規事業担当者にとってのバイブルともいえる良書ですが、300ページ弱とかなりのボリュームがあります。リーン・スタートアップに関する基礎知識が無いと、次々と出てくるメソッドや専門用語に圧倒され、
なにかすごく役に立ちそうなことはわかった。でも、結局何をすればいいんだっけ?
という状態になりがちです。
そこで、まずは関連書籍である「ストーリーでわかる『起業の科学』」を読むことをおすすめします。
若手サラリーマンが新規事業に取り組み、苦難を乗り越えながら成功を目指すストーリーを通じて、「起業の科学」で紹介されているフレームワークやノウハウを学ぶことができます。
また、この記事で紹介しているフレームワークや用語についてもほぼ網羅されています。
「ストーリーでわかる『起業の科学』」でエッセンスを押さえたうえで、「入門 起業の科学」や「起業の科学 スタートアップサイエンス」にステップアップするとよいでしょう。
マッチングサイトの開発に着手する前に「起業の科学」を使ってやるべきこと
あなたが「ある知識やスキルを提供したいユーザーと、それを利用したいユーザーをマッチングするサービス」の立ち上げを考えている起業家や新規事業担当者だとします。
アイデアを形にして市場に投入するため、すぐにシステムの開発に着手したくなるのはわかりますが、その前に以下のステップを踏んで「誰」の「どんな課題」を解決するのかを明確にしましょう。
- 動機と覚悟の確認
- 顧客と課題の仮説構築・検証
- 課題の存在の確認や重要度の評価
- 課題とマッチングサイトの親和性の評価
- 市場規模の評価
- 最初に攻め込むべき市場の選定
動機と覚悟の確認
マッチングサイトの立ち上げを考える起業家・新規事業担当者がまず確認すべきは、
取り組むのは「自分ごと」として共感できる課題であるか?
という点です。
それは「自分ごと」の課題か?
あなたのマッチングサイトで解決する課題は、あなた自身が心から解決したいと望んでいるものである必要があります。
マッチングビジネスでは、サービスの「提供者(売り手)」と「消費者(買い手)」という、性質のまったく異なる二種類の顧客の課題を同時に解決する必要があります。
消費者(買い手)のみを相手すれば良い他のビジネスよりも難易度は高く、軌道に乗せるまでに多くの時間と労力を要します。
単に「儲かりそう」というだけでマッチングサイトを始めても、多くのステークホルダーを巻き込みながら事業を成功に導くための実行力やモチベーションを保てません。
「なぜ他の誰でもなく、あなたがこの事業をやるべきなのか?」という問いに対する明確な答えを持ちあわせていないのであれば、最初からそのマッチングビジネスは手がけないほうがよいでしょう。
顧客と課題の仮説構築・検証
- 取り組むのは「自分ごと」として共感できる課題である
ことを確認できたら、
「誰」の「どのような課題」を解決するのか?
について仮説を構築し、検証します。
仮説構築・検証の具体的はステップは以下のとおりです。
- 初期ユーザーの仮説構築
- 顧客課題の仮説構築
- ユーザーインタビューによる仮説検証
初期ユーザーの仮説構築 : あなたの顧客は誰なのか?
新規事業を立ち上げるうえで重要なのが、「エヴァンジェリストユーザー」や「アーリーアダプター」と呼ばれるような、あなたのサービスに真っ先に飛びついてファンになってくれるユーザーです。
あなたのサービスに熱狂し、ヘビーユーザーとなって他の人にもあなたのサービスを自発的に紹介してくれる、そのようなユーザーを少数でよいので見つけることがサービスを軌道に乗せるためには必要不可欠です。
あなたのサービスにとってのエヴァンジェリストユーザーは誰なのかを
- ユーザーの人物像
- ユーザーの心理状況
- ユーザーの行動
について仮説を構築することにより浮き彫りにしていきます。
ユーザーの人物像 = ペルソナ を作成する
まず、エヴァンジェリストユーザーとなるユーザーの人物像 = ペルソナ を作成します。
ペルソナは「20代女性」「50代の会社経営者」のようなあいまいなものではなく、氏名・年齢・性別・居住地・趣味・年収など、属性を細かく設定します。まるで実在する1人の人間であるかのように詳細にペルソナを設定することにより、顧客視点で課題を発見・検証できるようになります。
なお、ペルソナは1人ではなく、エヴァンジェリストユーザーとなりそうなユーザー像を複数作成しましょう。また、以降の仮説検証プロセスを通じて随時アップデートしていくことが重要です。
ユーザーの心理状態 = エンパシーマップ を作成する
つぎに、作成したペルソナがもつ心理状態を深掘りするためのエンパシーマップ(共感マップ)を作成します。
エンパシーパップにより、
- See : 見ているもの
- Hear : 聞いていること
- Think/Feel : 考えていること・感じていること
- Say/Do : 言っていること・行動していること
- Pain : 痛み・ストレスに感じていること
- Gain : 得たいもの
というペルソナの心理状態を書き出します。
エンパシーマップの作成を通じてペルソナに深みを与え、より顧客の視点に立って思考することが可能になります。
ペルソナとエンパシーマップ作成のポイントについては、「起業の科学」の著者である田所雅之氏の解説動画が参考になります。
ユーザーの行動 = カスタマージャーニー を作成する
ユーザーの人物像と心理状態を具体化できたら、そのユーザーが取る行動を書き出すカスタマージャーニーを作成します。
ユーザー仮説は「売り手」と「買い手」の二種類構築する
ここまで、「誰があなたのサービスの顧客なのか?」についての仮説構築の手順を解説してきました。
ここで注意しなくてはならないのが、マッチングサービスには
- サービスの提供者(売り手)
- サービスの消費者(買い手)
という二種類のユーザーが存在するという点です。
当然のことながらエヴァンジェリストユーザーに関する仮説も、「売り手」と「買い手」の二種類構築する必要があります。
他のビジネスモデルと比較して二倍の手間がかかりますが、的外れなサービスを開発・販売してしまうリスクを大幅に下げることができるのですから、取り組む価値は十二分にあります。
顧客課題の仮説構築 : あなたの顧客が抱えている課題とその前提条件は何か?
カスタマージャーニーを通じてユーザーが抱える課題仮説が具体化されたら、ジャベリンボードを使ってその仮説を深掘りします。
ジャベリンボードとは
- 顧客 : カスタマーは誰か?
- 課題 : 課題は何か?
- 解決策 : 解決策(ソリューション)は何か?
- 前提条件 : 課題仮説が成立する前提条件は何か?
という4つの要素をセットにして仮説を立て、顧客候補へのインタビューを通じて課題とソリューションの妥当性を検証するためのツールです。
ジャベリンボードを使うとカスタマーが抱える課題仮説が成り立つ前提条件と、その検証方法・検証基準を定義できます。
ジャベリンボードの使い方については、田所雅之氏のこちらの動画を参照してください。
ユーザーインタビューによる仮説検証
ここまでのステップを経ることにより、ようやくあなたのサービスが「誰」の「どんな課題」を解決するサービスであるかという「仮説」と、その仮説が成立するにはどのような前提条件を検証すべきかという点が明確になりました。
次のステップではこの仮説を検証するために、ユーザー候補に直接確認します。
インタビューすべきは「エヴァンジェリストユーザー」
インタビューの対象は誰でもいいわけではありません。ペルソナを作成したときと同じように、あなたのサービスに真っ先に飛びついてファンになってくれる可能性のある「エヴァンジェリストユーザー」に対してインタビューする必要があります。
エヴァンジェリストユーザーの特徴
「起業の科学」では、以下の4点をエヴァンジェリストユーザーの要件として挙げています。
- 予算取得済み、もしくは予算の獲得が可能
- 別の製品の寄せ集めで、なんとかソリューションを持っている
- 積極的にソリューションを探している
- 課題を認識している
インタビューの対象を選定する際には、ユーザーがこれらの要件を充たしているかに注意しましょう。
エヴァンジェリストユーザーはどこにいる?
では、あなたのサービスのエヴァンジェリストユーザーをどうやって見つければよいのでしょうか?
ビザスクは、様々なビジネス領域の経験者に1時間から対面・電話で相談できるサービスです。
40万人を超えるアドバイザーが登録されており、活用事例として専用のページが設けられているほど、ユーザーインタビューに広く利用されています。
特にマッチングサービスにおけるサービスの提供者(売り手)のインタビュー候補を探すには最適なサービスといえるでしょう。
ビザスクの他にも、
- ユーザー候補がサービスを販売している既存サービス(ココナラ、タイムチケット、ストアカ など)
- 関連業界のユーザーが集まるオンラインコミュニティ(Facebookグループなど)
- 関連業界のカンファレンスや展示会
- 現場(例:パーソナルトレーニングのマッチングサービスならフィットネスジム)
- 勤務している会社の同僚
- 関連業界に勤務している知人
など、様々な方法でインタビュー候補を見つけることができます。
エヴァンジェリストユーザーを見極める質問
起業の科学では、ユーザーインタビューにおいて以下の質問への明確な回答がある場合は、エヴァンジェリストユーザーであるといえると定義しています。
- 現状の課題を解決するためにどのような代替案を利用していますか?
- その代替案の不満なポイントはどこですか?
- この課題を解決できるならばいくらくらいの予算の確保が可能ですか?
これらの質問への回答が全くないユーザーについては、あなたのサービスのエヴァンジェリストユーザーである可能性は低いです。
有用なインサイトを得ることは難しいため、早めにインタビューを切り上げたほうが得策でしょう。
エヴァンジェリストユーザーの探し方については、田所雅之氏の以下の動画が参考になります。
ユーザーインタビューのポイント
エヴァンジェリストユーザー候補の選定が終わったら、いよいよユーザーインタビューを行います。
ユーザーインタビューを実施する上での主なポイントは以下の通りです。
- 人に任せず、創業者(事業責任者)自らがインタビュー
- 1対1で行う(グループインタビューはしない)
- 必ず「売り手(サービスの提供者)」と「買い手(サービスの消費者)」双方にインタビュー
- エヴァンジェリストユーザーを見極める質問(上記参照)をして適切なインタビュー相手か見極める
- 自分の思い込みを捨てて傾聴(インタビュー相手の弟子になる)
- 作成したカスタマージャーニーが正しいか答え合わせ(本当に作成した手順の通りに行動しているか)
- 意思や感想では無く行動を尋ねる
- 非言語コミュニケーション(態度やしぐさ、表情など)に注目する
- 相手の語ったことの奥にある意味を分析する
ユーザーインタビューは非常に奥が深く、質問者の技量が問われます。
ユーザーの本音を引き出し、課題仮説の検証に役立てるため、起業家や新規事業担当者はユーザーインタビューのスキルを身につけておくべきです。
関連書籍が多く出版されていますので、何冊か手に取ってみることをおすすめします。
ユーザーインタビューのポイントについては、田所雅之氏のこちらの動画も参考になります。
仮説を修正しインタビューを繰り返す
ユーザーインタビューを行う毎に、その内容に基づき課題仮説やその前提条件を検証・修正します。
ユーザーのイメージ(ペルソナやカスタマージャーニー)が明確になり、フォーカスすべき課題が見えてくるまで仮説構築と検証のサイクルを繰り返しましょう。
何人にインタビューすべきか
起業の科学では、各ユーザーのセグメントがはっきりしないこの段階では20人にインタビューすべきと解説しています。
しかし、これでは「売り手」と「買い手」という二種類のユーザーがいるマッチングビジネスでは40人にインタビューすることになり、時間・資金の負担が大きくなります。
「ある分野の知識やスキルを持つ売り手と、それらを知りたい・利用したい買い手をつなげる」というマッチングビジネスでは、売り手と買い手の双方について一定レベルのセグメント分けはできるはずです。
売り手と買い手それぞれ3-5名ずつインタビューすれば、課題仮説とその前提条件についてある程度検証できるでしょう。
課題の存在や重要度の評価
ユーザーインタビューが終了し、
- 取り組むのは「自分ごと」として共感できる課題である
- 「誰」の「どのような課題」を解決するのかが明確になっている
ことを確認できたら、
その課題は実際に存在し、ユーザーが真剣に解決したいと考えているものであるか?
を検証します。具体的には
- 課題仮説が成立する前提条件はすべてクリアされ、課題が存在することが確認できたか?
- 課題はユーザーの十分な痛みを伴うものか?
- ユーザーは既存の代替案で十分だと感じていないか?
を評価しましょう。
- 前提条件が否定され、課題自体が成立しなかった
- 課題は存在したがユーザーにとっては大きな問題ではなかった
- ユーザーは既存の代替案により課題を解決しており、特に不満はなかった
などの結論に至った場合、ビジネスを本格的にスタートする必要はありません。
存在しない課題を解決しようとして時間やお金を無駄にすることを回避できるのですから、撤退も大きな成果です。
課題をでっち上げない
自身のアイデアへの思い入れが強すぎると「XXXのようなソリューションがあれば便利だと思いませんか?」といった、仮説をむりやり補強するような質問をしがちです。
結論ありきで行うユーザーインタビューは意味が無いだけでなく有害です。
「仮説は覆されるもの」と考え、あくまでフラットな目線でユーザーの行動とプロセスについて尋ねるようにしましょう。
代替案を過小評価しない
すでに述べたとおり、エヴァンジェリストユーザーは既存の代替案でなんとか課題を解決していることが多いです。
あなたから見てその代替案が不格好で非効率なものであっても、他のユーザーは大して気にしておらず、新しいソリューションを必要としていないかもしれません。
代替案を過小評価せず、課題に対するユーザーの痛みが十分に大きいか(あなたのサービスに乗り換えるほどの課題か)を冷静に検証しましょう。
課題とマッチングサイトの親和性の評価
- 取り組むのは「自分ごと」として共感できる課題である
- 「誰」の「どのような課題」を解決するのかが明確になっている
- その課題はユーザーが真剣に解決したいと考えているものであり、実際に存在する
ことを確認できたら、
マッチングサイトがその課題を解決する最適なソリューションなのか?
を検証します。
マッチングサイトが価値を提供できるのは主に以下の3点です。
- バラバラな情報の集約 : 点在していたサービスの提供者(売り手)を一箇所に集めて比較・検索しやすくまとめる
- 休眠資産の活用 : スペースや人が稼働していない時間を販売する機会の提供
- 中間プロセスの排除 : 売り手と買い手を直接繋げることによるコスト削減
仮説検証の結果明らかになった課題が、こうしたマッチングサイトの特性では解決できないこともあります。
その場合はマッチングサイトに固執せず、その課題の解決に最も適したソリューションを考える必要があります。
市場規模の評価
- 取り組むのは「自分ごと」として共感できる課題である
- 「誰」の「どのような課題」を解決するのかが明確になっている
- その課題はユーザーが真剣に解決したいと考えているものであり、実際に存在する
- その課題の解決策としてマッチングサイトが最適である
ことが確認できたら、次に確認すべきは
参入に値する市場規模があるか?
という点です。
魚が1匹しかいない池で釣りをして、2匹以上の魚が釣れることは絶対にありません。
目標としている利益を確保できる市場規模が存在するか、しっかりと検証しましょう。
3種類の市場規模 : TAM、SAM、SOM
市場規模を評価する際には、フェルミ推定を使って
- TAM (Total Addressable Market) : ある商品やサービスの総需要
- SAM (Serviceable Available Market) : 狙っている顧客セグメントの市場規模
- SOM (Serviceable Obtainable Market) : 実際にアプローチして獲得できるであろう市場規模
の順に算定します。
東京エリアを対象としたパーソナルトレーナーとユーザーのマッチングサイトを検討している場合の各市場規模(年間)は
- TAM : 国内のパーソナルトレーナーの総数 x レッスン単価 x 月間レッスン数 x 手数料率 x 12
- SAM : 東京のパーソナルトレーナーの総数 x レッスン単価 x 月間レッスン数 x 手数料率 x 12
- SOM : 東京のパーソナルトレーナーの総数 x レッスン単価 x 月間レッスン数 x 手数料率 x 自社の市場シェア x 12
のように推計できます。
パーソナルトレーナーの総数やレッスン単価といった市場規模推測のための変数は、政府やコンサル会社、リサーチ会社および業界団体などが出しているレポートが参考になります。
必要な市場規模は?
あなたが実際にアプローチして獲得できるであろう市場規模(SOM)を推計できたとして、それがいくらであれば参入を決断してよいのでしょうか?
結論から言うと、必要な市場規模はあなたの欲望の大きさに比例します。
年間10億円の売上を確保したいのであればSOMは10億円以上必要ですし、年間1000万円の売上でよければSOMも1000万円以上でOKとなります。
また、市場全体の成長率を考慮することも重要です。成長を続けている市場であれば、現在は小さくても数年後には十分な規模に成長している可能性があります。
現在ではなく、5~10年後の市場規模についての見通しを立てて参入を検討しましょう。
最初に攻め込むべき市場の選定
- 取り組むのは「自分ごと」として共感できる課題である
- 「誰」の「どのような課題」を解決するのかが明確になっている
- その課題はユーザーが真剣に解決したいと考えているものであり、実際に存在する
- その課題の解決策としてマッチングサイトが最適である
- 参入に値する市場規模がある
ことを確認できたら、
どの市場に最初に攻め込むべきか?
を検討します。
小さいマーケットの独占を目指す
サービスを開始する段階では、ターゲットユーザーは可能な限り絞り込むべきです。
本記事でこれまで紹介してきたステップを実践していれば、どんな人(ペルソナ)があなたのマッチングサービスを最も必要としているかが明確になっているはずです。
例えば、「美容業界のキャリア相談に関するマッチングサイト」を立ち上げる過程で、
- 美容業界の中でも、キャリアについて悩んでいるエステティシャンが多い
- エステティシャンが最も多く働いているのは東京23区内
- 美容業界に強いキャリアコンサルタントが最も多いのも東京23区内
- キャリアに関する悩みでは転職に関するものが一番重要度が高い
ことが判明したのであれば、まずは
- 東京のエステ業界での転職に強いキャリアコンサルタント
- 東京で勤務していて転職を考えているエステティシャン
のマッチングサイトとしてスタートできないかを考えます。
すでに述べたとおり、サービスを軌道に乗せるにはあなたのサービスに熱狂し、他の人にもあなたのサービスを自発的に紹介してくれる「エヴァンジェリストユーザー」「アーリーアダプター」が必要不可欠です。
「美容業界のキャリア相談に関するマッチングサイト」では間口が広すぎて、メインターゲットである「東京23区内のエステティシャンとキャリアコンサルタント」の関心を引くことはできないかもしれません。
メインターゲットの心を掴めないようでは、当然他のユーザーを集めることもできません。まずはメインターゲットに「激刺さり」するような「狭く、深い」サービスとしてスタートしましょう。
ターゲットの絞り込み方
ターゲットとなるユーザーの絞り込みでよく使われるのが以下の4つの基準です。
- 人口動態(年齢や性別、家族構成や職業・年収など)
- 地理(国や都市、地域や市区町村など)
- 心理(性格やライフスタイル、価値観など)
- 行動(扱うサービスの利用形態、利用時間帯など)
ユーザーインタビューを通じてペルソナをアップデートしていくことにより、自然にこれらの基準を踏まえたターゲット像が浮かび上がるはずです。
なお、ターゲットを絞り込みすぎてサービスの提供者が集まらない(例:「東京のエステ業界での転職に強いキャリアコンサルタント」が数名しか確保できない)などサービス開始に支障がでる場合には、「エリアを東京ではなく関東にする」「エステティシャンだけでなくネイリストも対象にする」など、対象となるターゲットを徐々に広げてください。
「選択肢の多さ」はマッチングサービスの重要なアピールポイントですので、最低でも20~50名のサービス提供者(売り手)を確保した状態でスタートしたいところです。
マッチングサイトの立ち上げ方
- 取り組むのは「自分ごと」として共感できる課題である
- 「誰」の「どのような課題」を解決するのかが明確になっている
- その課題はユーザーが真剣に解決したいと考えているものであり、実際に存在する
- その課題の解決策としてマッチングサイトが最適である
- 参入に値する市場規模がある
- 最初に攻め込むべき市場を選択できている
ことが確認できたら、ようやく
市場に投入するマッチングサイトの開発
に着手する準備ができたといえます。
「MVP」を市場に投入して「PMF」を目指す
ここまでのステップで実施してきた
仮説を設定・検証し、ユーザーからのフィードバックを元に改善する
というサイクルは、マッチングサイトを開発し市場に投入する際にも継続して実施します。
目指すべきは PMF (Product Market Fit)、つまり
あなたのマッチングサイトがエヴァンジェリストユーザーに熱烈に支持されている
状態です。
最初から完璧な製品をリリースすることはできませんし、する必要もありません。必要なのは、
MVP (Minimum Viable Product)= ユーザーから受け入れられそうな必要最小限の機能をもった製品
を素早く市場に投入し、ユーザーからのフィードバックを元にPMFを目指してマッチングサイトを改善し続けることです。
マッチングサイトMVPの最適解は?
マッチングサイトのMVPとして求められる条件は以下のとおりです。
- マッチングサイトとして必要最小限の機能を備えている
- 市場にすばやく投入できる = 開発に時間がかからない
- 開発費用を抑えることができる
- ユーザーからのフィードバックを元に修正・拡張できる
これらの条件を踏まえ、
カスタマイズに対応したマッチングサイト構築パッケージ
を利用したMVPの開発をおすすめします。
マッチングサイト構築パッケージとは?
マッチングビジネス自体は目新しいものではなく、世の中には多くのマッチングサイトがすでに存在します。
各社で「何をマッチングするか」という切り口が異なるだけで、運営に必要な機能(会員管理、出品管理、決済機能など)はほぼ共通しています。
そのため、マッチングサイトに必要な機能をパッケージ化したソフトウェアやWebサービスを様々な企業が開発し、マッチングビジネスを始めたい起業家や新規事業担当者向けに販売しています。
こうしたパッケージを活用することにより、コストを抑えながらマッチングサイトを立ち上げ、ユーザーからのフィードバックを元に修正・拡張しながらPMFを目指すことができます。
マッチングサイト構築パッケージ選びのポイント
自社のニーズに合ったパッケージを選ぶためのポイントは以下の通りです。
項目 | 注意すべきポイント |
---|---|
必要な機能の有無 | ・自社マッチングサイトに必要な機能が予め用意されているか ・希望する機能がオプションの場合はその料金 |
価格 | ・初期費用と月額費用の金額 ・保守費用など追加料金の有無 |
運用形態 | ・自社したサーバーで運用 or パッケージ販売会社が提供するクラウドサーバーなどで運用 ・自社サーバーでの運用は社内に担当者を置く必要も |
カスタマイズ | ・独自機能が必要になった場合に対応してもらえるか ・カスタマイズの費用と納期 |
カスタマイズに対応したマッチングサイト構築パッケージ6選
1. mekuma
株式会社メクマが提供する「特定分野の専門家」と「専門家に相談したい、指導を受けたいユーザー」をつなげるマッチングサイトを構築・運営するためのWebサービスです。
ビデオ通話機能を搭載しており、スポットコンサルや各種レッスン、コーチングなどのマッチングサービスを簡単に立ち上げることができます。
2. Mallento
株式会社マレントが提供する、ECマッチングサイト構築パッケージシステムです。(導入企業420社以上、実績数650件以上)
マッチングサイトに限らず、フリマサイトや動画配信&ライブ配信システムなども構築できます。
3. カスタメディアMASE
株式会社カスタメディアが提供する、マッチングサイト&シェアリングエコノミーサイト構築パッケージです。
2005年から複数導入実績があり、コストと運用安定性が高く既に各機能を持つマッチング・パッケージをベースにサイトを構築できます。
4. サクットマッチ
株式会社セルバが提供する、マッチングサイト作成パッケージです。
「スペース」「スキル」「モノ」の3つを共有しあえるマッチングサイトを構築できます。
5. マッチングサイトパッケージ構築gate
株式会社パルムゲートが提供する、BtoB、BtoCなどマッチングサイトに特化したWEBパッケージです。
分野によって必要とされる機能が大きく異なるマッチングサイトのニーズにも対応できるように、拡張を前提とした設計となっています。
6. THE MATCHING
株式会社ウェブスクウェアが提供する、マッチングサイトに必要な機能を盛り込んだ汎用性の高いWEBシステムパッケージです。
初回買い切りで月額ランニング費用は不要。カスタマイズ可能なライセンスで、同業他社へのカスタマイズ依頼も制限されていません。
デモサイトを作ってエヴァンジェリストユーザーにインタビュー
デモサイトは「リアルさ」が重要
マッチングサイト構築パッケージで作成したマッチングサイトがひととおり動作するようになった段階で、ダミーのデータを登録したデモサイトを作成します。
ここでのポイントは
質・量ともにサイトが正式にオープンした時と同じレベルのデータを登録する
ことです。
「ああああ」のような適当なデータが数件登録されたようなデモサイトは、実際の運用イメージとは大きく異なるはずです。
ウェブサイトの内容が異なれば、当然そこから得られるフィードバックの内容も変わってしまうため、インタビューに使用すべきではありません。
特に出品者(売り手)と出品者が販売するサービスのデータについては、少なくとも数十件、内容も本番に近いリアルなものを登録してください。
エヴァンジェリストユーザーにデモサイトを利用してもらう
デモサイトが完成したら、顧客と課題の仮説検証の際にインタビューしたユーザーなどに「プロダクトインタビュー」を行い、ユーザーがデモサイトを利用する際の反応を観察します。
プロダクトインタビューのポイントは、
・創業者または新規事業の責任者が行い、ユーザーの反応を直接観察する
・必ず「売り手」と「買い手」双方に対して実施する
ことです。
「起業の科学」では、プロダクトインタビューのチェックポイントを以下の様に定義しています。
- 「今すぐこれが欲しい」という反応があったか?
- そのプロダクトを使っていて何かつまづいたことはあったか?
- 課題を解決できる実用上最小限のプロダクト(MVP)を明確にできたか?
- ユーザーがUXで何をフォローしてほしいか、どのようなプロダクト体験をしたいかについて言語化できたか?
インタビュー結果を踏まえマッチングサイトを改善
プロダクトインタビューの結果を踏まえ、マッチングサイトを改善します。具体的には、
- 不足している機能があればカスタマイズにより追加
- 操作でつまづく点があればカスタマイズにより改善
- 不要な機能や手続きがあれば設定変更やカスタマイズにより削除
- 見た目の調整(フォント色やサイズ、画像の大きさなど)
などを行います。
正式オープン前に売り手を確保する
マッチングサイトではユーザー同士がスキルや知識を売買し、運営者自身は商品を提供しません。
そのため、マッチングサイトの運営者はサイトを正式オープンする前に必ず売り手(サービスの提供者)をある程度確保する必要があります。
具体的には以下のような手順で売り手を集めます。
あなたのマッチングサービスの特徴や、売り手にとっての利点をアピールするLP(ランディングページ)を作成します。
次に、
- PPC広告(広告リンクがクリックされたら課金が発生するタイプのオンライン広告)への出稿
- 業界誌の広告ページへの出稿
- 売り手が集まるコミュニティでの告知
- インタビューなどで面識のあるエヴァンジェリストユーザーに直接依頼
などの方法で、作成したLPに売り手候補を誘導します。
LP上に設置した登録フォームにより、売り手候補となるユーザーのEメールアドレスを収集します。
「事前登録したユーザーはXヶ月間取引手数料無料」といった、なんらかの特典をオファーすると登録を促すことができます。
収集したEメールアドレス宛に、「事前登録期間開始」という名目でユーザー登録ページのURLを告知します。
事前登録期間中にユーザー登録した売り手に対しては、メールアドレスの収集時にオファーした特典を忘れずに提供しましょう。
紹介者コードは強力な集客ツール
事前登録告知メールに1通ずつ異なる「紹介者コード」を掲載し、他のユーザーが紹介者コードを使って登録した場合に、
- 紹介者コードの持ち主 : 紹介したユーザーの売上のXX%を報酬として獲得
- 紹介者コードを入力してユーザー登録した人 : Xヶ月間は取引手数料無料
といった特典を提供することもおすすめです。
業界の有力者・インフルエンサーなど、影響力の強いユーザーがあなたのマッチングサイトを拡散することにより、一気に売り手が集まる可能性があります。
マッチングサイトを正式オープンする
- プロダクトインタビューを踏まえたマッチングサイトの改善がある程度完了した
- 必要十分な数の売り手を確保できた
ことを確認できたら、いよいよマッチングサイトを正式にオープンします。
まずはなるべく多くのマッチングを成立させ、あなたのマッチングサイトのファンを増やす必要があります。
そのため、売り手確保のために実施した広告・販促活動に加え、
- 買い手(サービスの利用者)に向けたPPC広告の出稿
- 買い手が集まるコミュニティでの告知
- プレスリリースの配信
- 無料、または割引クーポンの発行
など、買い手となるユーザーの獲得を目的とした施策を実施します。
紹介者コードは「買い手」の新規獲得にも役立つ
売り手確保のステップで紹介した「紹介者コード」は、マッチングサイトでサービスを購入する「買い手」ユーザーを集める際にも効果をを発揮します。
他のユーザーが紹介者コードを使って会員登録した場合に、
- 紹介者コードの持ち主 : 新規会員登録1名毎に無料または割引クーポンを獲得
- 紹介者コードを入力してユーザー登録した人 : 無料または割引クーポンを獲得
といった特典を提供すれば、口コミによる新規顧客獲得を期待できます。
まとめ
マッチングサイト立ち上げまでに必要なステップをおさらい
ここまで、
- 起業の科学の「Customer Problem Fit」を実践し「誰のどんな課題を解決するのか」を明確にした上で、
- マッチングビジネス特有の事情を踏まえてスキルや知識のマッチングサイトを立ち上げる方法
についての具体的なステップ
- 動機と覚悟の確認
- 顧客と課題の仮説構築・検証
- 課題の存在や重要度の評価
- 課題とマッチングサイトの親和性の評価
- 市場規模の評価
- 最初に攻め込むべき市場の選定
- 「MVP」を市場に投入して「PMF」を目指す
- マッチングサイトMVPの最適解は?
- マッチングサイト構築パッケージとは?
- マッチングサイト構築パッケージ選びのポイント
- カスタマイズに対応したマッチングサイト構築パッケージ9選
- デモサイトを作ってエヴァンジェリストユーザーにインタビュー
- 正式オープン前に売り手を確保する
- マッチングサイトを正式オープンする
について解説してきました。
これらのステップを実践すれば、なんとなくサービスを開始した場合と比較して失敗の確率を大幅に減らすことができます。
「しなくても良い失敗」を避け、最短ルートで成功を目指す
しかし、この段階ではまだマッチングサイトを立ち上げただけで、
あなたのマッチングサイトがエヴァンジェリストユーザーに熱烈に支持されている
という、いわゆるPMF (Product Market Fit)の状態には至っていません。
PMFを達成し、さらに次の段階である「スケール(事業拡大)」に到達するには絶え間ない「仮説設定・検証」の繰り返しが必要です。
成功への長い道のりはまだまだ続くのです。
起業の科学では、サービス開始 → PMF → スケール の各ステージで注意すべきポイントや、役に立つフレームワークについて詳しく解説されています。
成功はアート、失敗はサイエンス
OWNDAYS代表取締役社長 田中修治
の言葉のとおり、成功には運やタイミングなどが大きく影響します。一定のステップを踏めば必ず成功できるわけではありません。
一方で、失敗には「よくあるパターン」が存在し、正しい知識や手法に基づいて対処すれば回避できるものが多くあります。
起業の科学やこの記事を参考に「しなくてもよい失敗」を回避して、最短ルートであなたのマッチングサイトを成功に導きましょう。
「失敗しないマッチングサイトの始め方」はこれでおしまいです。
長い長い記事にお付き合いいただきありがとうございました!
あなたがマッチングサイトを立ち上げる際に、少しでもお役に立てたのであれば幸いです。
<プロフィール>
- 株式会社メクマの共同創業者・CEO
- マッチングサイト構築パッケージ「mekuma」の開発責任者
- 「【プロが徹底解説】失敗しないマッチングサイトの作り方」の著者
- マーケットプレイスやECモールを構築できるパッケージ「CS-Cart日本語版」も手がける
- mekumaとCS-Cartの販売を通じて、100件以上のマッチングサイトおよびマーケットプレイスに関わる